東大理三に見事現役合格のT.K.さんに受験生時代の勉強スケジュールを聞きました

2022/06/08
2022年度、東大理三に見事現役合格のT.K.さんの合格体験記です。東大理三に合格するまでの勉強スケジュールや、合格するために知っておきたい東大入試の特徴などを解説してくれています。

合格した大学

ニックネームを教えてください。

T.K.

性別を教えてください。

男性

現在通っている大学を教えてください。

東京大学

浪人または再受験の有無を教えてください。

現役

理科の選択を教えてください。

化学;物理

社会の選択を教えてください。

世界史

得意科目を教えてください。(複数選択可)

国語

苦手科目を教えてください。(複数選択可)

数学

両親の職業について教えてください。(任意)

医者

出身地を教えてください。

福岡県

出身の中高、中学受験・高校受験の有無を教えてください。

中学受験をしました。(青雲学園@長崎)中高一貫です。

高1から合格までで受けた模試、その偏差値、合格判定を教えてください。

高一、ニは手元に妥当なデータがないです。 高三は以下のような結果でした。 6月東大本レ 65.9 D 8月東大本レ 64.2 D 10月東大本レ 66.2 D(その後採点ミスがあり、Cになりました。偏差値は覚えていませんが、67くらいでした) 1月東大本レ 67.3C   東大オープン夏 63.0 C 東大オープン秋 65.6 B 東大実戦夏 60.2 D 東大実戦秋 73.2 A 共通テスト模試はほぼ手元にないですが、 第3回全統模試では811/900で偏差値は67.7でした。判定は多分Aです。

現役、浪人時の併願大学(合格の有無も)を教えてください。

慶応医学部 不合格 早稲田政経、中央法 合格 防医 一次合格 二次未受験

受験勉強を始めた時期を教えてください。

高2の秋です。(10月ごろ)

受験期の1日の勉強時間を教えてください。

平日1〜5時間(塾の自習室がほとんど) 休日10〜14時間(基本家)

受験期1年間の勉強スケジュールを教えてください。

夏休みまで 普通のレベルの問題集をぼちぼちやった。一応全範囲の学習は大体おわった。  夏休み 東進の教材を一応やっていたが、理解はしていなかった。あまり過去問には手をつけられなかった。 共通テストまで 過去問を少しずつ進めつつ、自分がよく理解していない教材の復習をした。その時に、解法について何が一般に言えるのか、を意識してまとめノートを軽く作った。ただ、過去問の復習はほぼしなかった。共通テスト対策は、1月になったあたりから本格的にやり始めた。 共通テストから二次試験まで 自分の苦手分野を問題集で潰しつつ、過去問を進めた。しかし、過去問を復習し切るほどの時間がなかったので、中途半端ではあった。しかしこの時期も、何が問題の解法一般に言えることなのかをよく考えて、重要な考え方を身につけれるように注力した。とにかく残り日数から逆算して、今できる最善のことをするよう心がけた。 ただ、うわべだけの理解はしないようにだけ気をつけた。

夏休みの過ごし方について教えてください。

学校の補講があり、休みが少なかった。 休みの日は、東進の映像授業を消化していった。しかし、数をこなすことに注力していたため、理解は二の次だった。また、夏休みが終わるタイミングでYouTubeをたった。(夏は普通に見ていた)

上手くいった勉強法、上手くいかなかった勉強法を教えて下さい。

俯瞰的に分野を眺めて重要な考え方を抽出する勉強法はうまくいった。 できるだけ短い字数でまとめるまとめノートはうまくいったが、たくさんの内容をまとめるまとめノートはうまくいかなかった。 学習のため、英語のスピーチを聞こうと思ったが、面倒ですぐにやめてしまった。 英単語帳ゆっくり一周したのはうまくいった。

受験期苦労したことを教えてください。

情報が地方に入ってこないことです。自分がやっていることが意味があるかを判定する基準が乏しくて不便でした。(ただ、知らぬが仏ということもあるみたいではあります。)

あなたの大学の入試傾向を教えてください。

全体的に難しいですが、一部の私立大学の問題のように「知らないとどうしようもない」問題は少ない。かなりの思考力を必要とする問題が多い一方で、時間制限が厳しい科目も多い。よってゆっくり考える暇がないことが多い。 国語は比較的時間制限に余裕があるが採点基準がブラックボックスなため、一部の人を除いて安定させるのは難しい。 数学は難しい問題が多いが、大問番号の小さい問題(特に一番)はやや易しいことが多い。基本的に教科書レベルでは太刀打ちできない。 理科は時間が全く足りない。とにかくきつい。 英語は話す能力以外の全技能を試される。こちらも時間制限が厳しい。

数学の勉強方法と対策方法について教えてください。

基本的に東進衛生予備校の教材をベースに学習しました。一つの問題を解き終えた後で、一体その問題で重要な事項は何だったかを見返しました。そしてその内容を1~2行程度でノートに書き、ストックしました。このノートをたまに見返して頭の中で解法の整理を行いました。また、市販の問題集である『上級問題精講』にも手を出しました。良問が多かったですが時間が足りず、あまり数はこなせませんでした。過去問は10年分ほど取り組みましたが、あまり復習はできませんでした。

英語の勉強方法と対策方法について教えてください。

英語らしく考える、をモットーに英語の本質を知ろうと努めました。あまり塾は利用せず、主に学校の(自分が信頼している)先生の授業の予復習を中心に勉強を進めました。学校の授業として長文は週3本ほど読んでいました。また、6月ごろに鉄壁をゆっくり一周しました。単語の語感を捉えることを意識して何度も書いて単語を覚えました。東大の単語は語感を捉えるとかなり有利になりました。単語はこれっきり集中して学習しませんでしたが、語彙で困ることはなかったです。また紙の辞書もよく使っていました。

物理の勉強方法と対策方法について教えてください。

東進衛生予備校の教材を中心に学習していました。微積を使って公式を自ら導けるように訓練しました。また、物理のすべての分野をまとめたノートを作りました。(もちろん公式の導出からまとめています)これをしっかりと読み返すことはあまりなかったですが、お守りのような役割を果たしていました。また、直前期は『難問題の傾向とその解き方』を使っていました。東大物理は物理の本質を知っていると全体像が見えるものが多いです。公式を暗記するうわべだけの学習よりも、本質的なことを洞察していく学習の方が理に適っていると思います。

化学の勉強方法と対策方法について教えてください。

東進の東大特進コースの教材を中心に学習しました。いろいろな問題・考え方に触れるようにし、難問にも臆せずに取り組みました。また、(ここは少し賛否あると思いますが)化学の数値計算ではもっぱら電卓を使っていました。化学の数値計算は桁が多いことも多く、計算が大変です。僕がしたいのは計算練習ではなく「化学」だったので僕はこの手法を取りました。東大化学は時間に余裕がないので落ち着いて考える冷静さを養うのも必要だと思います。

国語の勉強方法と対策方法について教えてください。

夏までは東進の東大特進コースの教材を学習していましたが、夏以降は基本的に何もしていませんでした。(強いて言えばたまに『古文単語315』を開いていました)現代文で僕は自分の読みと論理性に自信があったので、あまり市販の東大過去問集の解答はあてにしていませんでした。その代わり自分の頭で文脈をゆっくり追っていって、論理の正確性を強く意識するようにしました。緻密な思考力を養うには問題集にあたるよりも、自分で考えるのが一番だと思います。論理的思考を養う方法を論理的に考えていくのもいいかと思います。また、古典に関しては学校でしかほぼやりませんでした。

面接の対策について教えてください。

直前期に学校で一度だげ練習しました。しっかりと自分の考えを伝えられるように言葉選びを工夫しました。東大の面接は落ち着いて受ければまず大丈夫だと思います。

小論文の対策について教えてください。

適当に参考書を読んで突貫で対策しました。ほぼ意味がなかったと思います。

共通テストの点数(浪人生は現役時も)を教えてください。

791

共通テストの勉強方法について教えてください。

理系科目や英語は1月になるまでほぼ対策しませんでした。なぜなら東大は二時試験の比重が大きいからです。また、対策と言っても学校で配られる問題をちょろっと解いた程度です。一方国語は2学期の終わりごろに過去問(センター試験含む)だけを時間を測って解いていました。上手く点数が取れない時は不安でしたが、市販の対策書の問題は策問の質が悪いと感じることが多かったので結果的にこれが正解だったと思います。本文中からのみ根拠を拾おうと努力しました。社会(世界史)は好きだったので高二の頃からしっかりと学習していました。僕は単語を書いて覚え、一問一答で答えられるまで勉強していました。理系でここまでする必要はないかもしれませんが、直前期にあまり学習しなくても知識の抜けが少なかったので良かったです。

今年度の入試で特徴的だったことを教えてください。

数学が解けるぞ!と思っていたが気のせいだった。1日目は手応えがなくかなり怖かった。 理科は案の定時間が足りず、普段得意科目である英語も全く手応えがなかった。とにかく難しかった。点数を多めに皮算用して心を落ち着け、3日目の面接を受けた。面接はあまり緊張しなかった。その後ホテルに帰って、慶應で仮面浪人することを誓った。(結果的に慶応には不合格!)

あなたの大学の面接で聞かれたことを教えてください。

なぜ医学部にしたのか?    まだ治せない病を治せるようにしたいから。 数学や物理の勉強は医者になる上で役に立つか?   論理的思考を養えるので役に立つ。 科学の甲子園とは何か?   さまざまな分野の科学の問題をチームで協力して解く大会です。 好きな科目は?   物理です。

あなたの大学を目指す受験生へのアドバイスをお願いします。

東大理科3類は悪魔的な魅力があります。そして、日本トップレベルの戦いを強いられます。心が挫けそうになる時もあると思います。でもそんな時は一休みして心を落ち着かせてください。受験はなるようになります。何とかなります!

編集部からのひとこと

以上、東大理三に見事現役合格のT.K.さんの合格体験記でした。 自身の経験をリアルに教えてくれているので、受験生の方はぜひ役立ててください! T.K.さん、ご協力いただきありがとうございました。

東京大学の情報をもっと知りたい方はこちらから

YouTubeで東大理三合格者にインタビューしました!

医学部受験のプロは、「医学部受験情報をもっとオープンに」という理念に基づき、医学部受験のリアルな情報を発信するメディアです。

医学部受験競争が激化する中、限られた時間で最大の成果を出すためには、正確な情報を把握することが受験必勝の鍵となります。
当サイトでは医学部受験を志す全ての方にとって、最新かつ有益な情報をお届けしていきます。

©2019 —医学部受験のプロ. All Rights Reserved.