医学部入試の花形。英語の長文読解の得点力を上げる方法

医学部受験のプロ

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2020/12/01

医学部の英語において花形なのは何と言っても長文読解問題です。長文読解が得意になるためには単語や文法などの基礎知識を定着させることがまず大前提です。このような対策をしているという前提のもと、長文を実際に読みながら、対策していきます。英文に対する体力と忍耐力をつけるために、まずは志望大学の過去問よりも先に市販の問題集を日々繰り返し、ある程度の長さの長文でも抵抗なく読めるようなリーディングスキルを身につける必要があります。
英語の長文問題があまりできるようにならないことの理由に、文が正確に訳せないことや、文章自体を脳の中で映像化することのできないことがあります。多読するだけではなく、精読のスキルを身につけるために、一度さっと読んだ後は精読を行いましょう。

以下に勉強の手順を記しますのでぜひ参考にしてください。

STEP1: まずは読んでみる

1.長文はまず自分のペースで、ゆっくりで構わないので英文を『辞書なし』で読んでいきましょう。この時に、わからない英文や構文、単語に出会ったときには、付箋やマーカーなどを使い、後で振り返る時にわかりやすくなるようにしておきましょう。

STEP2: わからないところを推測してみる

2.わからなかった単語や構文をまずは予測して、意味を推測するトレーニングをしましょう。推測した意味は余白などに書いておくなど、記録を残しておきましょう。

STEP3: わからないところを調べる

3.長文を一通り読み終わったら、わからなかった単語を、普段使い慣れている単語帳や英英辞書で調べましょう。ここで、その普段使っている単語集でその単語が収録されていたとしたのならば大問題です。頭に入っていないということなので、付箋を使って要注意単語として即座にインプットしておかなくてはなりません。意味の確認はもとより、発音や、例文などをノートに書き起こすなどして、使われ方もしっかりと確認してください。

STEP4: 日本語訳をする

4.英文の内容を理解するために、日本語に全て訳しましょう。このステップを精読と言います。内容のわかる日本語になるように注意して、忠実に訳しましょう。訳した後の日本語の文を読んでも意味がわからないようならばそれは正しい訳ではないと肝に銘じておきましょう。

STEP5: CDを聴く

5.内容がわかったら、音声CDを聞き、意味を反芻しながら、発音を確認してください。ナチュラルスピードで聴きながらたっぷりと英語の音声を聴くのが理想です。速すぎて難しい、という場合には、Audipoというアプリを使うと音声のスピードを自由に変えられます。

このアプリを使うと、細かい部分も聴けますし、2倍速の英文音読を聴くことができます。使いやすいアプリなのでぜひ使ってみてください。

STEP6: 音読をする

6.CDの後に続いたり、一緒に読んだりして、音読をしっかりしましょう。音読は聞く、話す、読む、という言語活動を同時にする、とても効率の良い学習方法です。決しておろそかにせずにしっかりと取り組みましょう。

STEP7: シャドーイング

7.テキストを閉じて、音声CDと同じ速さで読む練習をしましょう(シャドーイング)。

STEP8: 設問の解き直し

8.設問を丁寧に解き直しましょう。特に記述問題の解き方については、添削を受けるなど、満点に近い回答を出せるように工夫しましょう。

おすすめの長文対策テキスト

基礎編:単語の復習から基礎レベルの長文まで

センター試験過去問研究

長文読解トレーニングのために使える素材として、過去に出題されたセンター試験の第四問以降の長文問題を一通り解いてみましょう。本問題集には過去21年間、30回分のセンター試験が収録されています。センター試験の問題だけあって作り込まれておりかつ難易度が適度で、本問題集の各回における第四問以降を全て解いたならば、医学部入試の英語長文対策における基礎が固まったと考えてよく、大きな自信につながるでしょう。

速読英単語

本書は単語集ではありながら、長文の中にそれらの単語が収録されるという形式をとっているため、長文読解にも有用でしょう。必修編から始め、上級編までやりきりましょう。また医学部は医学用語も頻出するため、テーマ別に出てくるリンガメタリカもお勧めします。日本語と英文両方で知識を蓄えていきましょう。また共通テスト対策を意識して、過去問や共通テスト模擬試験などにも触れて、速読力と正答率の向上を目指しましょう。

中・上級編:国公立大学の長文問題対策

やっておきたい英語長文シリーズ

英語長文演習の参考書として人気が高いのが本シリーズです。語数が300,500,700,1000の4つのシリーズものとなっており、もちろん語数が増えるほど難易度は増します。本シリーズでは「政治」や「環境問題」などのテーマ別の英文が集められており、さらに解答・解説集では出てきた語彙の意味は全て解説されています。そのため、多様な学問分野の用語を効率よく吸収していけるでしょう。医学部志望者ならば、本シリーズの700のレベルに到達することが、英語を得点源とするための最低目標でしょう。

英文解釈の技術100

医学部をはじめとした難関大学志望者の長文読解対策の参考書としてロングセラーなのが本書です。100語前後の単語からなる例文とそこに含まれる長文読解において重要な文法事項を解説しています。レベルは高いですが、各問題の一文一文をその文法事項について掘り下げるなど解説が丁寧なので、根気強く食らいついていけばいつの間にか英語が非常に得意になっているでしょう。CDも付属しているため、リスニング対策にも活きてくるでしょう。

医学部特化編:医学単語を含む長文演習

『国立大 医学部の英語』(教学社)

『私立医大の英語』(教学社)

これらの本には医学をはじめとした豊富な数の厳選されたテーマの長文が掲載されています。たとえば、『味覚の仕組み』や、『感染症の歴史』、『SARSで得た教訓』、『ヒトゲノム』、『輸血法』、『乳がん手術』、『安楽死』、『心臓発作の治療学』、『プラセボ対照型臨床試験』、『コンピューターと脳の対比』、『記憶のメカニズム』、『ミツバチの体内時計』や、『障害者の社会進出』など基礎・臨床医学のみならず、社会医学、福祉、自然科学の分野が幅広く扱われています。この2冊については、英文を全てコピーして、和訳し、内容を理解して音読しましょう。

上記の問題集を、先程あげた8つのステップに沿って勉強していきましょう。特に志望大学で医学に関わる英語長文が出題される場合は、医学部特化編の教材を重点的に演習し、そのノートを作り、用語をまとめたり、英文を読んだ後の自分の感想や考えなどもまとめておくと、小論文や面接の対策にもなります。

これらの教材が終われば、医学部入試において大抵狙われるテーマの英文は終わります。余力があるならば、これらのテキストに出てくる医学系英単語をノートにまとめてみましょう。そして、やり尽くしてしまったならば、インターネットでその医療単語を検索して、その説明や、それに関する英語論文、自分の志望する大学の過去問などを読むとさらに良いと思います。

この手順の繰り返しで、英語長文の高得点を狙っていきましょう!

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