医学部受験を突破するための化学の勉強法を現役医学生が徹底解説!

医学部受験のプロ

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2019/12/24

はじめに

今回は、化学の勉強法について皆さんにお伝えしたいと思います。個人的に化学は英語の次に安定する科目だと思います。新規問題が多く出題される数学と違って、典型問題が多く出題されること、物理と違って問題と問題の間につながりがないので、一気に大量失点することがないということ、また小問数が多く、一問一問の配点が低くなりがちなので、仮に数問計算ミスなどによって失点したとしても、それほど失点が少ないことが主な理由になります。上に記した通り、化学の入試問題は、典型問題が驚くほど多く出題されます。学校によって多少差はありますが、一般的に問題の6~7割は典型問題です。(医科歯科は多少新規問題が多め)ここでいう典型問題とは、『化学の新演習』や『重要問題集』に乗っているような問題群のことを指しており、決して簡単な問題というわけではありません。しかし、典型問題が7割ほど出題されるわけですから、これらの参考書に乗っている問題を完璧にする必要があるということがわかります。また、塾や予備校に通っている方は、塾のテキストをまずは完璧にすればいいと思います。塾のテキストに載っている問題も市販の参考書が取り扱っている問題もさほどかわらないとおもいます。補助教材として、上にあげた参考書を使いましょう。私は、塾のテキストで理解があいまいだと感じた部分に関してのみ、『化学の新演習』に乗っている類題を解いていました。典型問題は、解法が即座に頭に浮かんでくるぐらい繰り返し解きましょう。理科の試験時間は一般的に問題数に対してかなり短いです。ですので、典型問題を解く際に、解法で悩んでいると、すべての典型問題を解くことができなくなってしまいます。化学という科目は、どれだけ典型問題を解けたか、が重要視される科目ですので、これはかなり致命傷になります。化学は『科学の新演習』と『重要問題集』に乗っている問題を9割ほど解けるようになれば、ゴールだと思います。

化学の勉強法

ここまで、化学という科目の特徴について述べましたが、ここで化学の実際の勉強法について書いていきたいと思います。

理論化学

まず、理論化学について。理論化学は一番出題頻度が高いのと同時に、おそらく多くの受験生にとって一番難しいものではないでしょうか。理論化学について、まずは教科書レベルの基礎をしっかりと身に着けてください。学校の授業が充実している人や、予備校に通っている人は先生に従って、基礎を網羅することが大事です。独学の人は、理論化学は一人で教科書を用いて学習するのは難しいので、書店で理論化学の参考書を買い求めましょう。最近の参考書は、プロ講師がかみ砕いてわかりやすく解説しているので、独学でも十分理解可能なものとなっています。また、理論化学を学習する際、新しい事項を学んだら、演習問題を通して必ずアウトプットしてください。化学は、問題を通して理解が深まることが多々あるので、インプット後はすぐにアウトプットするように習慣づけましょう。

無機化学

次に無機化学について。無機化学は、とにかく暗記量が膨大で手が付けられないと思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、実際、それほど暗記量は多くないのです。無機化学に登場する化学反応式のほとんどは、酸化還元反応か中和反応であるため、自分で半反応式などを用いて式を作ることが可能なのです。逆に、化学反応式はなんでも暗記しないでください。両性元素の化学反応式やアンモニアソーダ法などの一見複雑に見える反応も、実は化学反応式の作り方や原理が背景に隠れています。その背景については、しっかりと理解して暗記することのないようにしてください。無機反応で覚える必要があるのは、一部の例外的な反応式と、色だけです。色については、ネットで調べれば、覚えやすい語呂がたくさん見つかるので、語呂を用いてうまく覚えてください。また、沈殿についても暗記するのは難しくて厄介ですが、問題を通して何度も何度も繰り返し暗記して定着させてください。無機化学は、暗記すればだれでも得点できる分野ですので、やらないと損ですよ!

有機化学

そして有機化学。有機化学はまず、有機化学の反応をすべて覚えることからスタートしましょう。ヨードホルム反応やフェーリング反応、アルコールの脱水反応、炭素間二重結合反応、アセチリド生成反応、など挙げたらきりがないですが、こうした一つ一つの反応の特徴を詳しく正確に覚える必要があります。有機化学の反応をある程度覚えたら、次は構造決定へと移ります。構造決定では、覚えた有機化学の反応の知識を逆引きしないといけないので、反応をよく覚えておかないと当然ながら構造決定の問題は解くことができません。例を挙げるならば、「臭素の赤褐色を脱色する」という条件があったら、炭素間二重結合か炭素間三重結合が存在する、銀鏡反応陽性ならアルデヒド基が存在するという風に置き換えないといけないということです。このように有機化学は、初めに構造決定をするための「道具」をそろえて、それからその「道具」を使って構造決定をしていく、という流れになりますので、「道具」をそろえる段階、つまり各反応を暗記する段階は丁寧に、漏れがないように暗記しましょう。最後に、高分子化合物。この分野は、最後に扱われる分野で、さらに内容が難しいために、受験生の出来は非常に悪いです。しかし、問題作成側はそれを見越して、高分子化合物を出題してきます。ですので、この単元もないがしろにはできません。少なくとも糖類の種類と、単糖類の構造式、タンパク質の知識、合成高分子(ビニロンなど)の知識は抑えておきましょう。また、入試で頻出する、ペプチド配列決定、アミロペクチンの構造決定、ビニロンの合成、などの問題も完璧にしておきましょう。

おわりに

以上、化学の具体的な勉強法でした。近年、東京大学の入試問題において、典型問題の出題が著しく増えています。以前のような難問を出題するより、典型問題を多く出題したほうが受験生の間で差をつけることができるとでも考えたのでしょうか。実際、多くの受験生は『化学の新演習』や『重要問題集』に乗っているような典型問題を解くことができないです。駿台の全国模試でも、化学の問題は比較的典型問題が多いのにもかかわらず、平均点は毎回100点中30点前後です。このことから、他の受験生と差をつけるには、典型問題をひたすら何度も何度も繰り返し解いて、完璧にすることが有効であるということがわかります。最後に補足。典型問題の習得を終えた後は、できるだけセットで化学を解いてみましょう。自分の志望校が典型問題を多く出す学校なら、典型問題が多いセット、つまり千葉大や地方医大の問題をセットで解いてみましょう。限られた時間の中で取捨選択して、取るべき問題をとる訓練を数多く積むことは非常に重要です。逆に自分の志望校が新規問題を多く出す学校なら、考えさせる問題の多い、東大の2007年~2016年のセットや東京医科歯科のセットを解いてみましょう。新規問題は、問題文をよく読んで条件を整理すれば解けるような問題が結構あります。また、新規問題といっても、テーマ自体は結構似たり寄ったりなものが出ることもあります。その際、依然解いた問題が役立つということも少なくないので、できるだけ新規問題を解いておくこともある程度必要であると思います。

以上となります。最後までご覧いただき、ありがとうございました!

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